トイレ掃除というのは、尊い仕事だと思っている。10年以上も前になるけど「トイレの神様」という歌があった。トイレもこんな歌になると、綺麗なイメージになるなと思ったよ。植村花菜さんの声が、まるでトイレを磨いていくように思えたものだ。
トイレについてのエピソードと言えば、本田宗一郎氏については印象深いものがある。詳しくここでは述べないが、とにかく氏はトイレという場所を大切にした。トイレを汚くしている人とは付き合わないと決めていたぐらいだ。本にも書いてある。
自分が住むアパートのトイレには、ウォッシュレットがついている。入院生活の時の便利さが病みつきになり、使うことが日常的になった。ただし、使うだけでは駄目。流すだけの水洗トイレと違い繊細さがあるから、ノズル周りのこまめな掃除も大切。
でもやはり、一番大切なところは便器の部分だと思う。自分はフタをしておくタイプだが、自分しか使わないとわかっていたとしても、フタを開けた時に便器が光っていると嬉しい。開けた瞬間に、川の流れのような跡がついていると気持ちがなえる。
体の中から出されるのは排泄物。尿でも便でも綺麗じゃないことはわかっている。綺麗じゃないから排泄する。それならば、受け側の便器も汚くていいのか。
不思議な話だけど、便器が汚いと用足しが気分悪くなる。
外出先のトイレを使った時に、そう感じることがないかな?デパートのトイレが汚れていたりすると、そのデパート全体が汚く思えたりする。スーパーだったらなおさら、食品売場さえも不潔に思えて来る。本田宗一郎氏の言うことは的を得ていると思う。
20代の時にお世話になった独身寮の寮母さん、当時70歳だった。古い寮だから5階まであってもエレベーターはない。毎日順番を決めて、トイレの掃除をしてくれていた。築30年以上でも古いだけで、汚いって感じたことがなかった。ありがたかった。
求人を見ていると思う。トイレ掃除の時給は、仕事のわりには本当に安すぎる。その立場で考えてみるといいよ。不特定多数の人間が、毎日使うわけだ。一歩前になんて貼り紙に有効性があるとは思えない。便器からはみ出した汚物も処理する。時には固まっていることもある。残っていることもある。すべてを処理する。
一般的に肉体労働の賃金は安い。肉体労働という仕事自体が安く見られている気もする。自分でやってきたからわかるけど、誰もができそうで、誰にでもできるわけじゃない。それ相応に力も必要だし、技術だって必要だ。やってみれば汗をかくことの尊さがわかるし、賃金の安さを痛感する。
トイレ掃除ともなると、そこに汚さを処理するという条件が加わるわけだ。便器をこすったタワシの隙間から、汚水が飛び散って顔にかかることなんか日常茶飯事。さらにこういう仕事をする人は年配者が多い。賃金が安くては、若い人は集まらない。家庭もちならなおのこと、尊い仕事でも選択肢のひとつになりにくい。
時々、スーパーホーミングで便器を磨く。ミサイルみたいな名前だけど、汚れに対しては最強で、磨き終わった後の輝きは他者の追随を許さない。
でも、便器一つだから満足がいくまで磨けるのかもしれない。ずらっと並んだ便器を、時間内に磨き上げていくっていうのは大変だ。入院していた時に、清掃する方には気を使ったよ。ゴミ箱からゴミを取り出しやすいように、袋にまとめておくとかね。
トイレ掃除に限ったことではないかもしれないけど、もう少しその価値が正当に評価されてもいい、そういう仕事だと思うんだ。
「トイレ掃除の仕事には、もっとお金を支払って!」への2件の返信
確かにトイレ掃除は尊い仕事だと思います
掃除をしてくれる方がいなければデパートだって病院だって居心地の悪い個室と化してしまう
ホーミング私も買ってみます✨
気持ちのよい輝きをぜひ!
いもちゃんさん、いつもありがとうございます。
ホーミングはもっと安かったんですけど、スーパーがついて値段がUP!
でも、このスーパーホーミング、本当に綺麗になります。
便器の内側に顔が映るような気もします。
昔なら、粉の洗剤は傷を生むとか言われたんですけど、今はないようです。
トイレはいつも気持ち良く!ですね(#^.^#)