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最近の曲は、イントロが短くなった。

最近の曲はイントロがかなり短い。10秒も無いような曲も多いようだ。70年代や80年代の昭和の音楽、90年代の平成の音楽が好きな自分からすれば、何とも物足りなさも感じている。当時の音楽を聴きなおすほどに、その気持ちが大きくなることも。なぜかなって考えてみたら、丁度いい番組が放映されていた。

https://youtu.be/RWkPVC0EKc8
*イントロが約38秒 1秒目で曲がわかる

番組の中で、イントロが短くなっているのは、故意に短くしているみたいな答えも聞いた。要は、定額で音楽を聴けるサブスクリプションが全盛になっている今、イントロが長いことは致命的にもなると言う。長過ぎると視聴者がすぐに次の曲に進んでしまって、その曲を聴いてくれなくなる可能性があると言うんだね。

もうひとつ答えがあった。以前は歌番組が多かった。トップテンとかベストテンとか、かなり楽しみにしていたものだ。番組の中で、歌手がインタビューを受けてから歌う準備が必要で、そのためにはイントロが長い方が良かった、そんなことも話していたんだよね。準備のための時間稼ぎには、イントロも長くか。

どちらの答えにせよ、一理あるなとは思った。番組の中での実験のように、最近はイントロが6秒や8秒の曲が多く、中には0秒に近い曲もあった。短ければすぐに詞を聴けるわけで、視聴者もその曲の中に入っていってくれるというわけだ。すべての曲が短いわけではないよ、あくまでも多いって話。

でも待てよ、オフコースにもイントロが短い曲はあったな。

https://youtu.be/X5z2h_A1SVo
*オフコースの曲はイントロだけでも価値が

まあ、答えを1 つにまとめようとすれば、こんな感じにもなるんだろう。実際のところ、最近の曲は確かにイントロが短い。だからなんだろうか、平均的にみて同じような曲に聴こえてしまうんだよね。自分だけがそう感じているのかな。いや、そうでもないみたいだよ。同じことを言っている人は、結構いるようだ。

今、日経の夕刊の「明日への話題」というコラムを、アルフィー高見沢俊彦さんも担当している。先日の記事でこんな話をしていた。最新シングルではイントロは34秒ある。前奏が美味であればあるほど、メインディッシュのメロディや歌詞が生きてくる、だから今後もイントロを短くするつもりはないってこと。

さすがだなって思った。さすが、音楽界の大御所のおひとり。この高見沢さんの言葉の中に、自分が感じていることへの答えもあるように思えた。

あくまでも自分の考えだが、昔の曲は全体を通してドラマチックだったと思う。イントロAメロBメロサビ大サビも、そしてアウトロも、どれも欠けてはいけなかった。どれもが歌全体を構成する大切なパーツだった。イントロはその曲の名刺がわりみたいなもので、イントロが始まればすぐに曲名がわかった。

*酔いしれた名曲 イントロは25秒くらい

それが今やイントロ自体があってないようなもの。たまに長いなと思える曲に出会えても、あまりインパクトを感じないんだよ。イントロのこともさることながら、全体的に音が軽く感じられるんだ。詞もどこかで聴いたよう内容が多い。素敵な曲はたくさんあるんだけど、聴き直したくなるのは昔の曲が多い。

自分がその時代に青春をしていたからじゃない。青春なら今でも真っ最中だ。なんだかな、深いんだよね、詞も音も。

TKこと小室哲哉さんが、悪い話でマスコミの話題になったことがある。そういう時のマスコミは、こぞって粗を探すようなことをして記事にする。TKの音楽はつなぎ合わせの音だって言う輩もいた。とんでもない話だ。TMNTRFgloveの曲、渡辺美里に書いたMy Revolution、TKには数知れずない名曲がある。

つなぎ合わせの楽曲なら既に飽きていて、20年以上経った今になって引っ張り出してまで聴いたりはしない。TKサウンドが好きでたまらないって人も多いんだ、音楽の世界を混同して考えるようなことはやめて欲しい。Get Wildなんて今聴いたって新鮮だし元気も出てくるよ。イントロを聴くだけでも満足できる。

*イントロのアレンジがすごすぎる 約2分弱

20年も30年も前の曲が、なんで今も新鮮に聴こえるんだろう。

やはり、全体の作りに人間らしさがあるのかな。作りこまれているって感じるんだ。考え方は人それぞれだろうけど、イントロひとつにも手抜きを感じられない。そして、この人ならではの、このバンドならではのオリジナリティというものが、しっかりと曲に反映されていた気がするんだよね。似てるを感じなかった。

これからの時代は、様々な分野で自動化も進む。機械に任せられるところは任せることになる。そうした時、人はもっと創造の世界を中心に生きることを迫られる。音楽の世界もきっと同じだろう。だからこそ、音楽の才能にあふれる人たちには、つねに人間くさい音の追求を続けてほしい。そういう音楽は必ず、時代を超えて歌い継がれていくと思っている。

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素敵な音楽の数だけ、人生は豊かになっていく

この2ヶ月ほど、毎朝毎晩のツイッターで、自分の好きな曲を紹介している。朝は一日の始まりにふさわしい元気めの曲を、夜は一日の終わりにふさわしい静かめの、明日への思いを抱いていけるような曲を紹介している。その時の自分の気持ちも入っているけれど、かなり広い範囲から選曲しているつもりだ。

*レコードを手に入れたのは 解散から十数年後

ただ今は、邦楽を中心に選曲している。小さい頃から洋楽も聴いてきたが、洋楽に大好きな方たちに比べると、自分が好きな範囲を超えきれていない。好きな音楽ならいくらでもあるから紹介はできるけれど、邦楽ほどには広い範囲からの選曲はできないだろう。だから、邦楽中心の紹介をすることにしている。

自分の一番好きなアーティストは、オフコースだ。1989年解散して以来、一度も再結成をしない伝説的バンド。他のアーティストの素敵な曲を、どれほどたくさん聴いたとしても、最後にはオフコースに戻る。特に「NEXTのテーマ~僕等がいた」。今後こういう類の曲は、二度と出てこないと思っている。

*自分にとっての人生のテーマ曲であり続ける

20代の初めまでは、今ほど聴く範囲も広くはなかった。中学の頃はオフコース安全地帯、高校の頃はさだまさしなどのフォーク系の人たち、大学の頃はロック系を中心に広がりを見せ、社会人になってからはオールラウンダーに変わった。運送時代は仕事中でも車内で音楽漬けだったから、ますます範囲も広くなった。

アニソンから映画のサントラロックアイドル、とにかく聴いてみないことにはわからない。正直に話しておくけど、自分はインドアの音楽ファンだ。オフコースが活動していたらコンサートなどに足を運んでいただろうけど、再結成があり得ない以上、このままインドア中心で、音楽ライフが続いていくと思う。

*レコードのテカり方って優しい感じがする

それに、自分は再結成というのがあまり好きじゃない。特にオフコースのような神がかり的なバンドは、伝説のままの方がいい。再結成がないからこそ、自分の中で神の存在のまま生かすこともできる。まあ、音楽の楽しみ方は人それぞれでいいんだよ。感動の仕方だって人それぞれ、感じ方の違いで人生も変わっていく。

ただし、可能な限り幅広く聴いた方がいいと思う。このジャンルだけをなどとは決めない方がいい。バラードが大好きでも激しいロックも聴く、アニソンが大好きでも映画音楽も聴く、ジャンルを超えて聴くところに音楽の面白さがあると思う。そしてアーティスト同士の、意外なつながりが見えたりもしておもしろい。

*レコードは大きい分 目を楽しませてくれる

これは音楽を創る側の人たちにも、同じように言いたいことだ。やはり世界の共通語英語なんだよね。だから、英語で歌っている曲には説得力があって、世界を支配している感じもする。今現在も活躍中の日本の大御所たちは、世界の音楽を聴いてコピーから始めた人も多い。そこから自分たちの音楽を探していった。

世界に進出して行ったけれど、認められた日本人はほんのわずかだ。YMO少年ナイフ、現在ならワンオクBABYMETALかな。それだけ世界の壁は厚い。そしてそれだけ世界の音楽は幅が広く深い。日本の音楽も素晴らしいけれど、音楽をやる以上は世界の音楽も聴いた方が、音の使い方もかなり違ってくると思う。

*オフコースのアメリカ進出も困難を極めた

オフコースアメリカ進出も、事実上は失敗だった。日本人が聴く英語詞のアルバムとしては綺麗だったけれど、アメリカで通用するレベルではなかった。

それでも、オフコースが素晴らしいと思えるのは、彼らの音楽は奥が深く、今も色あせることがないくらいに、とことんまで音を追求しているからだ。その元になっているのは、長い下積み生活と幅広い音楽への好奇心だと思う。ひとつのジャンルを極めるにしても、幅広いジャンルに目を向けた方が音も豊かになるはず。

素敵な音楽の数だけ人生も又、豊かになっていくと思う。

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オフコースの、言葉にできない とは。

言わずと知れたオフコースの名曲、「言葉にできない」。

この曲を知ったのは、彼らが活動を休止していた時、中学2年の時だったろう。先日お話しした、「君が、嘘を、ついた」に衝撃を受けた後のことだ。鈴木さんが抜けて4人になってからの曲を先に知り、後追いで5人や2人の時代の歌を覚えた。

*1982年2月に発売 通算23枚目のシングル

詞を普通に読んでいけば、ろくに恋愛も知らない中学生でさえも、きっと感じるだろう。これは恋愛の曲だ、失恋の曲だって感じにね。

一般的には、そんなイメージで一人歩きしていると思う。特に今の時代にCMとかだけで聴いたりすれば、そう思っても当然だ。

大学3年の時に、小さな塾で講師のバイトを始めた。塾長は京都大卒の方で、大学紛争当時に学生時代をすごしていた。よく音楽の話もした。オフコースの歌っていうのは裏返しなんだよ、そう話していたね。理解できたつもりで耳を傾けていたよ。

裏返しの意味を理解できたのは、社会人になってからかもしれない。それは自分の中で、オフコースの歌を単に綺麗な歌として聴いていたかったからだと思う。大好きなアーティストの曲を、研究材料にするような聴き方だけはしたくはなかったからね。

*長いこと 恋の歌だと思っていた

オフコースは3人が2人になり、5人で大ブレイクして一旦活動休止、4人で復活して解散の道をたどっている。爆発的にヒット曲を連発した5人の時代よりも、実は2人や4人の活動期間の方が長いんだ。もし今5人のまま続けていたら、どうだったかな?

その5人の時代が終焉間近の頃に、小田さんが書いたのがこの曲だけど、歌われている内容の真意は小田さんにしかわからない。

ただ、自分は次のように解釈している。失くしてはならなかったはずの戦友、鈴木康博さんに贈った裏返しの歌であると。

*収録されたアルバム名は over 意味深い…

終わる筈のない 愛が途絶えた いのち尽きてゆくように」⇒ 君と別れるはずがないと思っていたのに、本当に別れることになってしまった、まるで僕の命が消えて行ってしまうかのよう。

ちがう きっとちがう 心が叫んでる」⇒ 君は嘘を言っている、そんなことはあるはずがないんだ。

ひとりでは生きてゆけなくて また 誰かを愛している」⇒ 音楽を歌うことを続けたいけど、やっぱりひとりではできない。

せつない嘘をついては いいわけをのみこんで」⇒ 自分を慰めるために嘘をついて、情けなくなっていいわけをのみこんでる。

果たせぬ あの頃の夢は もう消えた」⇒ 思い描いて来た夢は果たせない、夢はもう消えていってしまった。

誰のせいでもない 自分が小さすぎるから」⇒ 君を引きとめられないのは誰のせいでもない、自分が小さすぎるから。

それが くやしくて 言葉にできない」⇒ それが本当にくやしくてしかたがない、言葉にすることができないよ。

こんな感じで、勝手に理解して聴いている。「言葉にできない」の中に、小田さんが鈴木さんへの思いを、恋愛を隠れみのにして歌っている、こう思うわけなんだ。

でも、こう考えると、それこそ詩の勉強をしているみたいだよね。要は、小田さんの詞が一つの文学なんだよね。本当に奥が深い世界だと思う。

特に自分が好きだから、それだけじゃない。小田さんを始めとして、この当時の音楽家たちの詞は本当に奥が深いんだ。そして何よりも、日本語がとても綺麗。メロディ無しで、詩集として楽しめる作品も多い。

語り継がれる歌というのは、やはり、奥深い意味があるんだ。

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君が、嘘を、ついた

中学3年の時だった。コンビニで流されていたラジオ放送から、この曲が流れてきた。

DJがさけぶ、オフコース復活

*5人から4人になり 2年を経て復活した

復活?よくわからない。オフコースの存在自体を知らなかった。5人の時が1982年までとすれば、まだ小学生。中島みゆきの「悪女」で音楽に目覚めたのが小学6年。松山千春中村雅俊なども聴いていたが、オフコースの活動は休止中だった。

衝撃的だったね。これはすごいって思った。何がすごいかって聞かれると、案外難しい。でも、中学生ながらも音のセンスに圧倒された。それまで聴いていた、アイドルの曲やフォークとは違って、心がフワフワするような感覚を覚えた。

その日から、とりあえず中学校を卒業するまでは、オフコースの虜だった。当時はまだ、カセットテープレコードの時代。レコードは高くて買えないし、レンタル代金も高い。親はあまり音響機器には興味がなかったから、ダビングなどもできない。

*レコードの良さは視覚でとらえられるものが多いこと

ちなみに、若い方にはダビングってわからないかな。

レコードやCDなどからカセットテープなどの記憶メディアに、音響機器を通して音をコピーするって言えばわかる?

そんな状況だったからカセットテープを買い、同級生にダビングを頼んだ。2人の頃から5人の絶頂期の頃まで、発売されたアルバムを調べ上げ、もれることがないように順番にダビング。そして何度も繰り返し聴いた。飽きるなんてことは、まずなかった。

*歌詞カードの裏には ジャケットとは違う写真が

詞も綺麗だと思った。でも、その中にある意味の深さを理解するには、まだ精神的に幼すぎた。メロディの美しさに憑りつかれ、小田和正の声に憑りつかれ、ハーモニーの美しさに憑りつかれ、時間さえあればテープを回し、口ずさんで歌を覚えた。

同じクラスの中には、けっこうファンも多くて話もはずんだ。当時はYMOびいきだとか安全地帯びいきだとか、マニアックなクラスメイトが多かったかな。

確かにYMOなんて世界レベルだったからね。イエロー・マジック・オーケストラ、ネーミングからしてレベルが高いよね。音楽全体のレベルが高かった気がする。

*ジャケットの作りも凝っていた

中学を卒業する頃には、発売されていたアルバムの曲はほとんど歌えた。朝から晩までオフコース。ジャケットのコピーをしてもらい、クリアーファイルにはさんで下敷きにしたりね。カセットテープが擦り切れて音が伸びたら、またダビングをお願いした。

憑りつかれるっていうこと、夢中になれることっていうのは、本当に大切なことだと思うんだ。それも、本物に夢中になりたい。すぐにメッキがはがれるような嘘っぽいものに、夢中にはなれない。どんなに時間が経っても、本物は人の心を裏切らないから。

曲名は「君が、嘘を、ついた」

でも曲は、嘘をつかなかった。