7月6日13時、これが僕の入院する予定時間だった。
当日の朝は、いつも通り腕立て伏せを70回行い、朝ご飯をすませ、入院前の最後の準備をしていた。持ち込む物のチェック表も作ってあったね。
起床と同時に腕立て伏せを70回、いつも通り一気にやった。分けてやったら意味がない。17歳の夏に映画「ロッキー」にめぐりあった日から毎朝毎晩、約34年間、5年前の入院の時以外は欠かしたことがない。最も大切な自分の日常行事だ。
肩を痛めているのに、やっていいのかって?
これについては、主治医の先生からのストップがかからなかった。まあ、手術後から今年の2月までは、ダークな時間を過ごすことになったけどね。
昼前にタクシーを呼んで、15分ほどで病院に到着。感染対策のために入り口でアルコール消毒に体温測定。通院している今でも状況は変わらない。大きな荷物をかかえていたから、入り口の係員がまざまざと見ていた。
事務所で入院のために、最終手続きをすませた。この時も5年前の経験が役に立つ。5年前も入院してますから、なんて言ってみたら、長い説明時間も短縮できたような気がする。
キャリーカーゴに荷物をのせ、案内された通りエレベーターで3階に上がる。前回と違っていたのは、入る病室が新館に移ったこと。旧館の時よりも、やけに廊下が長く見えた気がする。そのせいかな、歩いている人間がみな、すごく遠くに感じられたんだ。