出生率が低いと言われている日本。ずいぶん前から聞いているような気もする。今は、少子高齢化の時代にあるってことだ。
確かに出生率は低いんだろうね。昭和のベビーブームの時代と比べれば、その数字は明らかだ。2019年の出生数は90万人を切っている。これは、数字的に見れば少ない?
戦後の第一次ベビーブームでは、年間の出生数が平均250万人以上。1970年からの75年までの第二次ベビーブームでは、平均200万人以上。第二次の時と比べても110万人以上、現在は出生数が落ちているわけだ。やはり少ないのか。
まあ、考え方はいろいろあると思うんだけどね。
高度経済成長期のモデルをベースにして、すべてを考えるとすれば、現在の状況は間違いなく人口減少へと向かっている。人口が増えていくことを前提に、年金や社会保険のモデルもできているんだから、現状のまま進めば、やがて立ち行かなくなる。
出生率を上げるために、子供を育てる環境を整備しようとか、あるいは助成金を増やそうとか、いろいろと議論されている。
でも、それは過去のモデルを前提にしていると思うんだよ。あくまでも、人口が増えていくことを前提にしているんだ。
だけど人口は、望むように増えないと思う。何よりも、出生率がピークだった頃に比べて、各個人の価値観が変わって来ているんだから。結婚して子供をつくって下さいって言われても、それは現在では、ひとつの考え方に過ぎない思うんだ。
人口を増やすことを前提に議論するのではなく、人口が減っていくことを前提に議論した方がいいんじゃないのかな?
出生数が減って高齢者だけが増えていけば、将来の社会福祉にも大きな影響を及ぼすだろうね。子供が増えて働き手が増えて、そして高齢者が社会から支えられる、簡単に言えば今のモデルはこの形。働き手の数が右肩上がりなら、ごく自然にも感じられる。
でも今の時代は、結婚しない人もいるわけだ。事情は各個人によって違うと思うけれど、結婚することよりも他のことに価値観を見出す人もいるわけだよね。働き方だって昔とは違う。そう考えていくと、人口が減っていくのは自然の流れのように思う。
それに日本って、みなが思っているほど豊かじゃないんだよね。
最近のニュースの中で、貧困って言葉を聞かない日ってあるの?毎日聞いている気がするよ。14%前後の子供たちが貧困に直面してるっていうんだよ。統計とか見ると驚いてしまうよね。
結局、この国は、自国の足元が見えていないんじゃないのかな。
自分は学者でも役人でもないし、ただの一選挙人に過ぎないけれど、国のことは真面目に心配している。大きなことはできないけれど、政治というものにしっかりと目を向けているつもりだ。
人口が増えることを前提に考えて、付け焼刃的な政策に頭をひねらせるよりも、人口が減っていくことを前提にして、政策を転換させていく方が、新しい考え方も浮かんでくると思うんだよね。
その過程では、必ず軋轢も生じると思うけど、どんなことでも方向転換していく上では、必ず壁は現れるものだよ。今までのモデルを前提に考えるってことは、変えるのを面倒くさがっているようにも思える。あるいは、しがらみが変化を許さないのかな。
政治や政策は、今を生かし続けるためにあるんだろうか?
それとも、未来を輝かすためにあるんだろうか?
未婚で子供のいない自分でも、少子高齢化について真剣に考える毎日だ。